子どもの親権
親権は、法律的に「財産管理権」と「身上監護権」に分けられます。

子どもの財産を管理し、法的手続きの代理を行います

子どもの身の回りの世話をしたり、しつけや教育を行います
親権者と監護者
親権者に関して夫婦に争いがない場合は、夫婦の一方が親権者となり上記2つを行使することになりますが、争いがある場合には、解決策の一つとして、相手に親権を与える代わりに自分は監護権を得るという協議方法があります。
親権を行使できる人を親権者、身上監護権を行使できる人を監護者といいます。
協議離婚の場合、離婚届には監護者を記入する欄がありませんので、
離婚協議書などの書面にしておくことが重要です。

離婚後の生活環境の変化や子どもにとって適切であると考えられる場合は、親権者や監護者を変更することができます。

両親の協議だけでは変更できず、家庭裁判所に調停または審判の申立てをすることになります。調停または審判が成立したら役場で親権者変更の手続きをします

必ずしも家庭裁判所での手続きは必要でなく、両親の協議のみで行うことができますが、協議が整わない場合は親権者の変更と同じく家庭裁判所の手続きとなります。
監護者の変更については役場への届出は必要ありません。
面接交渉権
離婚して子どもと離れて暮らすこととなった方の親が子どもと会うことのできる権利です

離婚後に親権者や監護者にならない親でも子どもと会う権利があります。面接交渉権について直接定めた法律はありませんが、父母の協議もしくは裁判所で取り決めることができます。

面接交渉権は親が子どもに会う権利ではありますが、子どもの意思を全く無視してまで会えることを意味するわけではありません。子どもが望まない面接交渉は原則認められませんが、監護養育している親が子どもを会わせたくないために、「会いたくない」と言わせている場合もありますので慎重な配慮が必要です。
養育費
厚労省の調査では、離婚後、継続して養育費を受け取っている世帯は20%に満たないとのことです。

養育費の額は、親の資力などを考慮して決めるべきものなので一概に言えませんが、
一般的には、月に3万円から6万円が相場になります。
養育費の算定方法として、平成15年に、裁判所が「簡易迅速な養育費等の算定を目指して」という
論文を発表し、この論文の中で養育費を算定する一応の目安を出して発表しました
現在は、この養育費早見表を用いた算定が一番の主流になっています。
一括払いにするか
月払いにするか |
養育費の支払いについては一定の金額を月払いにするのが一般的です。
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毎月の支払期日 |
支払う側の給料日の5日後位に設定すると、余裕があっていいと思います。 |
何歳まで支払うか |
一般的には「成年に達するまで」というのが多いようですが、「高校卒業まで」「大学卒業まで」と決めることもできます。 |
支払いの方法 |
養育費の支払いということを相手側に常に意識できるように、養育費専用の口座として子ども名義の口座を作ることをおすすめします。
別れた妻名義の口座に振り込むのと子ども名義の口座に振り込むのとでは支払う側の心境はずいぶん
違うようです。 |
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離婚後、養育費の金額について夫婦間で協議が整わない場合は、家庭裁判所に養育費請求の調停申立てをすることができます。

一旦決まった養育費の金額は原則変更できないことになっています。
しかし、その後の事情の変化で変更が認められる場合があります。
養育費の増減については、まず親同士で話し合って決めるのが原則ですが、話し合いでまとまらない場合には、家庭裁判所に養育費の増額(減額)請求の調停または審判を申し立てることになります。
増額の場合・・・物価の著しい上昇、子どもの病気やケガによる医療費、受取る側の失業など
減額の場合・・・物価の急激な下降、支払う側の失業、受け取る側の就職や再婚など
養育費を確実にもらうために
養育費を確実にもらうためには、口約束だけでなく、きちんと書面にすることが重要です
調停調書、公正証書
のどちらかにしておくことをおすすめします。
これらの方法で書面にしておけば、養育費の支払いが滞った時に、裁判をせずにすぐに強
制執行(給与差し押さえ等)が可能となります。